私の大学での専攻は、建築関係ではありません。もちろん、建築関係のスキルは全く持っていませんでしたが、縁があり設計事務所で働くことになりました。
そんな私が、設計事務所で働いてきた6年間を振り返って、「これは学生時代から身につけておいたほうがいい!」と思う3つのパソコン関係のスキルをお伝えします。
CADは必須!2種類以上つかえるのが理想的
学校では手書きの製図の講義があります。しかし、実務において「手書きで設計図書を描けること」自体には、あまり価値がありません。それは、実務では99.9%、CAD(=製図ソフト)で図面を描くからです。
CADスキルは、設計事務所の実務では必須ですので、学生のうちに習得しておくべきです!
CADの種類については、なにを選んでも構わないです。学校でもCADの講義があると思うので、まずはそのソフトを習得してください。下記のようなソフトが使われているのではないでしょうか。
- AutoCAD
- Vectorworks
- Jw_cad
- Revit
- ArchiCAD
学校で使用しているCADをマスターしたら、2つ目のソフトに取り組んでみると良いと思います。なぜかというと、設計事務所によって使用しているソフトが違うため、入社してからCADを覚えないといけないことがあるからです。
1種類しかCADを知らなければ、新しいソフトを習得するときのハードルは高いままです。むしろ、その知識が邪魔をすることさえあります。2種類のCADを使いこなせれば、習得スピードが格段にあがるので、設計事務所で働き始めたときに、いち早く本来の仕事に専念することができます。
2つ目のCADとしておすすめなのは、Jw_cadです。無料でダウンロードできるフリーソフトで、建築の図面を描くことに特化しています。
ダウンロードページはすこしあやしげな印象がありますが、安心してください。設計事務所でも、一般的によく使われているソフトですし、市役所などの行政でも採用されています。
Illustratorが使えたら便利!できればPhotoshopも覚えたい
Illustratorを使えるとものすごく便利です。イラストの編集に使うソフトですが、実は申請業務や資料作成に役立ちます。今の会社では、Photoshopを使うことは少ないのですが、習得しておくべきかと思って勉強しています。
Illustrator
使える場面:着色立面図の作成、PDFデータの一部修正など
具体的な例を挙げましたが、実務でIllustratorを使うメリットを簡単にまとめると、次のようになります。
- 簡単に色を塗れる
- 短時間で文字の追記や編集ができる
CADでも着色することはできますが、手間がかかります。また、協力会社から納品されたCADデータは互換性が悪い場合もあり、修正依頼をかけて再納品してもらうと時間がかかります。
Illustratorを使えるだけで、1時間単位で時間を節約できるので習得しない理由がありません。
Photoshop
使える場面:プレゼンボードの作成、竣工写真の編集など
写真や画像を使用したイメージ資料を作成する場面で、このソフトは力を発揮することができます。Photoshopでは、以下のようなことができます。
- 写真や画像の編集・加工
- イラストの着色やテキストの挿入
- グラフィック素材の作成
設計事務所(特にアトリエ系)の求人で、「IllustratorとPhotoshopが使える人を優遇」という項目をよく見かけます。就職面においても、これらのソフトは使えるようになっていたほうが良さそうです。
▼学生の方は、こちらのリンクから約3万円ほどお得に購入できます。(IllustratorとPhotoshopの両方を使えます)
やっぱりExcelはよく使う!関数も覚えているとなお良し
建築基準法では、面積の規模によって規制がかかる条文がたくさんあります。それなので、建築物の設計において面積は最も基本的な項目であると言えます。
その面積を求めるときに、すごく役立つのが計算ソフトのExcelです。このソフトが使えないと手計算で面積を求めないといけないので、何倍も時間がかかってしまいます。
また、計算式に関数をうまく組み込むと、さらに作業量がグッと減ります。特に、IF関数を使いこなせると計算を自動化できるので、わずらわしい作業に時間をとられることがなくなります。
Excelは習得しておいて損することはありません。建築系の職業に就かなくても、社会人になれば必ずと言っていいほど使うソフトではないでしょうか。
Microsoft Excel 2016 (最新 永続版)|オンラインコード版|Windows版
PCスキルは時間の節約につながるので、本来の仕事に集中できる
パソコンが使えなければ、建築の仕事はできません。しかし、必要最低限のPCスキルがあればいい訳ではありません。ソフトが使いこなせて、初めて土俵に立つことができます。
この記事で紹介したソフトを全て使いこなせる人は、入社時点で「作業効率」が同期のスタッフより頭ひとつ抜き出るはずです。すばやく作業を終わらせて、本来の仕事に集中する時間を生み出せるようになりましょう。