- 勉強の9割は過去問題対策
- 得意科目を伸ばすより苦手科目を無くす
- 得点源は「法規」と「構造」
学科試験の勉強をはじめる前に、要点を押さえておくことで効率的に合格ラインまで成績を伸ばすことができます。
一級建築士の試験範囲は広範囲なので、ムダなく勉強を進めることが合否を分けるとも言えます。
この記事を読んで、一級建築士の学科試験における攻略ポイントを知っておきましょう。
※この記事は2分ほどで読めます。2分後には、一級建築士に合格するための学科試験の攻略ポイントが分かっています。
勉強の9割は過去問題対策
一級建築士の学科試験において新規問題の出題比率は低く、多めに見積もっても 10 %程度しかないと考えられます。
このことは、建築士法第12条に定められている「試験の内容」を見てみると間違いありません。
一級建築士試験及び二級建築士試験は、設計及び工事監理に必要な知識及び技能について行う。
出典:建築士法 第12条 試験の内容
ここで言う「知識」は学科の試験、「技能」は設計製図の試験で問われます。
年に一度しかない建築士試験で、毎年のように大量の新しい知識が問われるほど、建築業界に変化は起きません。
建築基準法関係の法改正があったときには、新規問題の出題数が増加することが予想されますが、それでも過去問題の対策ができていれば心配は不要です。
転載を禁じられているのでソースは明かせないですが、私が持っている一級建築士試験の出題傾向を分析した資料でも、新規問題の出題比率はわずかであるとされています。
つまり、過去問題をシッカリ理解して、類似問題・応用問題を解けるようにすることで、合格ラインに到達できるということです。
得意科目を伸ばすより苦手科目を無くす
建築士試験には、総得点の合格基準点だけでなく、各科目の合格基準点(足切り点)が設けられているという特徴があります。
つまり、得意科目ばかりを勉強していて、苦手科目をほったらかしにしておくと、一級建築士の学科試験には合格できません。
勉強が進むにつれて、スラスラと解ける得意科目を勉強したくなる気持ちは分かります。
しかし、90 点を 100 点にするより、50 点を 80 点にするほうが簡単です。
成績が伸び悩んできたときこそ、苦手科目は後回しにせず、すこしでも早く手をつけるようにしてください。
構造の力学は、文系出身の方が苦手になりやすい分野です。
この分野は出題パターンが限られているので、計算手順を理解して公式を覚えてしまえば解けるようになります。
施工は、あまり現場を見たことがない設計者が足切り点に引っかかりやすい科目です。
現場を見れるなら実際に自分の眼で工事手順や納まりを確認して、見れないならイラストが豊富なテキストを使って、言葉ではなく映像として覚えるとよいです。
苦手科目を無くすことで成績は伸びるので、学習ポイントを押さえて勉強して苦手科目を克服するようにしましょう。
得点源は「法規」と「構造」
一級建築士の試験を実施している建築技術教育普及センターが公表した、平成 27 年の合格基準点等についての資料には、各科目及び総得点の合格基準点について次のように書かれています。
なお、合格基準点について、各科目は過半の得点、総得点は概ね 90 点程度を基本的な水準として想定していたが、本年の試験問題は例年に比べて学科Ⅱの難易度が高かった一方、総じて難易度が低かったことから、上記合格基準点としている。
出典:平成27年一級建築士試験 「学科の試験」の合格者基準点等について
合格基準点については、一級建築士試験の合格基準点【過去5年以上の公式データ】の記事にまとめているとおりで、各科目の足切り点を合計すると 67 点です。
総得点の合格基準点の水準である 90 点との差は 23 点、合格安全圏の 100 点とは 33 点の開きがあります。
この点差を5科目で埋めないといけない訳ですが、総得点を伸ばすための狙い目は「法規」と「構造」です。
法規と構造の出題数はそれぞれ 30 問で、全体の約半数( 48 %)を占めています。
出題数が多い分、他の3科目と比べて合格基準点と満点の差が大きく点数の伸び代があるので、この2科目を得点源にしておきたいです。
また、法規については法令集を持ち込むことができるので、十分に訓練をしていれば本番で確実に点数が取れます。
満点を取ることも夢ではないので、得意科目と言えるまで勉強してください。
法規と構造で 50 点以上取れると学科試験合格にグッと近づくことができます。
この2科目を得点源にして総得点を伸ばすことが合格への王道です。
おわりに
- 一級建築士の勉強は過去問題対策が9割
- 苦手科目を無くすことで成績が伸びる
- 法規と構造で50点以上を目指そう
過去問題集をメインに使って5科目すべてをまんべんなく勉強を進めてください。
その中で、「苦手科目は早めに対策を取ること」と「法規と構造は得意科目になるまで勉強すること」を意識しておきましょう。
各科目の勉強法と学習ポイントを下記の記事にまとめているので、続けて読んでみてください。