DOLLY
- 一級建築士の資格自体に価値はない
- 手段と目的をまちがえてはいけない
- 資格を取得する目的を整理する方法
「あなたはなぜ一級建築士の資格を取りたいのですか?」
一級建築士の試験を受けようと考えている読者の方が、こんな根本的なことを聞かれたら思わず驚くかもしれません。
しかし、この質問にハッキリと答えられる人とそうでない人では、試験に合格する可能性に何倍も差があるんです。
その理由が気になりませんか?
続きを読んで、「なぜ一級建築士の資格を取りたいのか?」という問いへの明確な答えがもたらす効果を知ると、目的意識の重要性を理解してもらえるはずです。
※この記事は 4 分ほどで読めます。4 分後には、一級建築士合格に一歩近づいているはずです。
一級建築士の資格自体に価値はない
残酷ですが、これは事実です。
それなのに、あなたはなぜ一級建築士の資格を取ろうとしているのでしょうか?
- 建築業界に進んだなら当たり前
- 上司に受験するよう言われたから
- まわりも受験するからとりあえず
こんな理由であれば、受験を考え直したほうがよいかもしれません。
自発的なモチベーションがないのに、6 ~ 12 ヶ月もの時間を費やして試験勉強に取り組むのは難しいです。
資格学校のコースによっては、2 年近くも勉強することになる可能性さえあります。
あらためて言いますが、一級建築士の資格「自体」には価値がありません。
これは建築業界で働いてみると実感します。
資格を持っているから仕事がバンバン舞い込んでくる訳でもないし、サラリーマン(雇われている立場)の場合は資格がなくても設計の仕事はできます。(参考:建築士を目指す前に知っておきたい仕事と資格についての3つのこと)
手段と目的をまちがえてはいけない
そもそも、一級建築士の資格を取得することはあくまでも手段であって目的ではないはずです。
しかし、実務経験を積んで受験資格を得る頃になると、一級建築士の資格を取得することがゴールかのように考えてしまいがちです。
注意しておかないと「手段の目的化」に落ち入ってしまいます。
- 一級建築士の資格を取得したうえで何をしたいのか
- 資格を持っていることでどんなメリットがあるのか
この 2 点については、受験申込をする前に整理しておくべきです。
人によって答えは違いますし、その答えに良し悪しはありませんが、自分なりの答えは絶対に持っておきましょう。
ここで言う自分なりの答えは「資格を取得する目的」につながります。
「資格を取得する目的」が明確であれば、長期間におよぶ試験勉強へのモチベーションが維持できます。
資格を取得する目的を明確にする方法
もう一度、「資格を取得する目的」を明確にするための 2 つのポイントを確認しておきましょう。
- 一級建築士の資格を取得したうえで何をしたいのか
- 資格を持っていることでどんなメリットがあるのか
この 2 点に対する自分なりの答えを見つける方法について解説します。
3ステップで自分なりの答えを見つける
①一級建築士の資格を取得したうえで何をしたいのか
そうすると、ただ建築士になりたかった訳ではなく、何かしたいことがあって建築士になりたいと考えていたことに気づけるはずです。
実務を経験すると建築への想いに少なからず変化が出てくるので、過去の自分とは違う考えが湧いてくるかもしれません。
実際に書き出すことで頭の中が整理され、「一級建築士の資格を取得したうえで何をしたいのか」が見えてきます。
②資格を持っていることでどんなメリットがあるのか
具体例:DOLLYが一級建築士の資格を取得する目的
上記の方法で、私も 「資格を取得する目的」を明確にしました。
- 結婚の準備に集中する
- 転職を有利に運ぶ
- 独立して設計事務所を構える
結婚の準備に集中する
資格を取得することと直接的な関係はありませんが、大真面目な目的です。
まわりに居る一級建築士の試験勉強をしている人たちと、結婚の準備をしている人たちを見ていると、とにかく時間がかかることが分かります。
一級建築士の試験勉強と並行して、悔いのないように結婚の準備ができる自信は、私にはありません。
結婚を考えているパートナーのことを考えると、どうしても来年の試験で一発合格したいです。
(余談になりますが、建築士の試験制度は結婚のハードルを上げているように感じています。最短であれば26歳で受験資格を得られる訳ですが、その年頃は結婚を考え始める時期とまともに重なっているのではないでしょうか…)
転職を有利に運ぶ
私は現在勤めている設計事務所でしか働いたことがないので、別の場所でも経験を積みたいと考えています。
それなので、30歳を目安に転職する予定です。
求人情報を見ていると、やはり一級建築士の資格を取得しておくと有利になることが分かります。
転職先を考える際に選択の幅が広がるし、ほとんどの会社で雇用条件が優遇されているので、資格を取得しておかない手はありません。
独立して設計事務所を構える
「建築の仕事をしたい」とはじめて考えたときから、独立して設計事務所を構えるというのがひとつの目標です。
二級建築士の資格は持っているので、今でも設計事務所を開設することはできます。
しかし、お客様からすれば一級建築士の資格を持っているのとそうでないのとでは、安心感が全く違うはずです。
お客様からの信頼を得るためにも、一級建築士の資格を取得しておこうと考えています。
複数の目的が出てきても 3 つくらいに絞り込むことをおすすめします。
それは、数が多過ぎるとひとつひとつの目的がぼんやりしてしまうおそれがあるからです。
「私が一級建築士の資格を取りたい理由は、これだ!」と言える、軸になる目的を見つけるようにしましょう。
- 自発的なモチベーションがないのに、6 ~ 12 ヶ月もの時間を費やして試験勉強に取り組むのは難しい
- 「資格を取得する目的」が明確であれば、長期間におよぶ試験勉強へのモチベーションが維持できる
- 複数の目的が出てきても 3 つくらいに絞り込む