一級建築士を受験するためには実務経験が必要なので、多くの方が働きながら試験勉強に取り組むことになると思います。
しかし、長時間労働が常態化している建築業界で働いていると、勉強時間を確保するのはむずかしいのではないでしょうか。
そこで、この記事では一級建築士合格に必要な勉強時間を達成するためのスケジュールについてまとめました。
一級建築士合格に必要な勉強時間は1000〜1500時間
一級建築士合格に必要な勉強時間は、1000〜1500時間だと言われています。
そのうち、学科対策に充てるのは8〜9割くらいになるはずです。建築士試験では、学科のための勉強がメインになります。
大手予備校の学科対策講座のスケジュールは、次のようになっています。(2018年6月時点)
- 総合資格:約16ヶ月
- 日建学院:約17ヶ月
- TAC:約10ヶ月
初受験の方は総合資格か日建を選ぶことが多いので、およそ1年半ものあいだ勉強することになります。
独学で挑戦する場合、モチベーションの維持が不可欠ですが、長期間になればなるほど大変になってきます。そこで、1年間という期間限定でスケジュールを考えました。
学科対策の1000時間は、平日1.5時間・休日6時間で達成できる
1年間で1000時間の勉強時間を達成しようとすると、1日あたり2時間45分の時間を確保しなければいけません。しかし、残業帰りで家の用事もしなければいけないのに、およそ3時間も勉強するのは過酷だと思います。
人間が集中力を維持できるのは約90分だと言われているので、平日は1.5時間にしておきましょう。そうすると、足りない分をまかなうためには、休日は6時間になります。
この計算には祝日を入れていないので、すこしゆとりのあるスケジュールになっています。それなので、勉強できない日があってもカバーできるはずです。気分が乗らないような日は、たまにであればサボっても大丈夫。気分転換の息抜きも取り入れながら、勉強をすすめるようにしましょう。
製図対策は、休日にまとめった勉強時間を確保することが大事
設計製図の試験は、学科の試験に合格しないと受験できません。それなので、学科試験を終えるまでは勉強する必要はありません。
7月末に学科試験を終えた後、製図試験があるのは10月初めです。この約2ヶ月間に一点集中して勉強に取り組みましょう。
製図試験の性質上、コマ切れの時間よりまとまった時間に勉強するほうがよいでしょう。本番の試験は6.5時間もの長時間におよぶので、それに慣れておくべきです。
休日には6.5〜10時間を確保してください。本番とおなじように取り組むためには少なくてもこれくらいの時間が必要になります。製図に慣れてくると、本番とおなじ6.5時間に収まってくるはずです。
平日に勉強しなくていい訳ではありません。学科試験とおなじく平日は1.5時間にして、エスキスの練習や計画の要点の記述など、短時間でも勉強できることに取り組みましょう。
平日と休日を合わせると、約200時間は製図試験の対策ができる計算になります。
1年と2ヶ月で1200時間を、一級建築士の勉強に投資しよう
2017年の一級建築士試験合格率は、学科18.4%・製図37.7%となっています。試験自体の難易度も高いとは思いますが、仕事をしながら継続して勉強時間を確保することが一番のハードルだと思います。
なんとなく勉強時間を取ろうと思っていると、確実に見積よりも少なくなってしまいます。1日に勉強する時間を明確にして、メリハリをつけて取り組むようにしましょう。