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一級建築士の勉強方法【学科Ⅲ・法規】独学のコツ・試験の攻略ポイント

DOLLY

一級建築士の学科試験対策で、ひとつの山場となるのは法規の勉強です。
この記事の内容
  • 法令集の線引きは年内に終わらせる
  • 暗記と法令集引きを区別する
  • 短期間に問題集を1周する
  • 合格基準点と目標点
  • 出題の傾向を知っておく
  • 6月までは建築基準法の範囲だけ
  • 具体的な問題集の進め方

※この記事は5分ほどで読めます。5分後には、一級建築士の法規のポイントが分かっています。

法令集の線引きは年内に終わらせる

一級建築士の法令集選びの3つのポイント【おすすめ法令集と役立ちアイテム】では、4つの法令集を紹介しています。

  • 日建学院のオレンジ本
  • 総合資格の緑本
  • 井上書院の黄色本
  • 井上書院の青本

井上書院の青本は発売日が翌年の1月下旬なので、年内に線引きを終わらすことができません。
青本以外の場合、必ず年内に線引きを終わらせるようにしてください。

線引きとインデックス貼りは、あくまでも法規を勉強するための準備なので、作業の鬼と化して淡々とやってしまいましょう。
筆者は数日に分けて少しずつ進めましたが、合計で18時間くらいかかりました。
集中してやると1〜2日で終わらせることができるはずです。

『法規のウラ指導』を使う場合、実際に問題を解きながら線引きとインデックス貼りを進めていくことになるので、通常より時間はかかります。
年内にできないことはありませんが大変なので、1月のあいだには終わらせられるように学習計画を立ててください。

暗記と法令集引きを区別する

法令集を持ち込める法規の試験で、暗記が必要となるのは「回答時間の短縮」が理由です。

法規の試験時間は105分(=1時間45分)で、出題数は30問です。
四択なので、単純計算すると120の選択肢があることになります。
つまり、ひとつの選択肢の正誤を判断するのに1分もかけられないのです。

容積率・建ぺい率、各種高さ制限などの計算問題では、計算結果と選択肢を照らし合わせるので、四肢すべての正誤を判断する訳ではありません。
しかし、30問中2〜3問ほどしか計算問題はないので、正誤の判断をしなけばいけない選択肢の数はさほど変わりません。

ここで押さえておきたいポイントは、ひとつの選択肢にかける時間をどれだけ減らすことができるかということです。

平均回答時間は、ひとつの選択肢あたり50秒、一問あたり3分30秒ですが、これだけの時間をフルに使ってしまうと見直しの時間が無くなってしまいます。
また、問題の難易度によって正誤を判断するために必要な時間は変わってきます。

したがって、全問解いたあとに見直しをしたり、難しい問題に時間をかけたりするための時間をつくるためには、比較的やさしい問題・得意分野の問題で時間を稼がなければいけません。
そのためには「暗記」が必須と言えます。

法規の勉強では、暗記できそうな問題と法令集を引くべき問題を、意識的に区別していくようにしましょう。

短期間に問題集を1周する

短期間に法規の問題集を1周するメリットは3つあります。

  • 暗記問題と法令集を引く問題を見分けられる
  • 建築基準法の全体像をつかむことができる
  • 法規への心理的ハードルを下げられる

暗記問題と法令集を引く問題を見分けられる

「暗記と法令集引きを区別する」のところで書いたように、全問解いたあとに見直しをしたり、難しい問題に時間をかけたりするための時間をつくるには、法令集を持ち込める法規でも暗記が必要となります。

そこで、どうやって暗記問題と法令集を引く問題を見分けるのかという話になる訳ですが、その答えは「実際に問題を解いてみる」ことです。

「事務所は特殊建築物ではない」や「都市計画区域内の新築は原則として確認申請が必要である」といった、一般的に暗記しておいたほうがいいこともあります。
それ以外については、学習を進める中で見つけた得意分野で覚えやすいものを暗記しておくとよいです。

建築基準法の全体像をつかむことができる

法令集を素早く引くために大切なのは、建築基準法の全体像をつかんでおくことです。

建築基準法の骨組みをざっくりでもいいので理解していると、どこに何が書いてあるのかなんとなく分かります。
もちろん正確に分かれば一番よいのですが、膨大なページ数の法令集の内容すべてを覚えることは不可能です。

法令集を引くことに慣れると、大体このページに書いてあったはずとか、○○条あたりに該当しそうな項目があったはずとか、経験による勘のようなものの精度が上がります。

法規への心理的ハードルを下げられる

主に監理業務をされている方、大学院卒業後すぐに受験される方などは、あまり法文を読むことに慣れていません。

法律の文章は独特な言い回しなので、慣れていないと読み解くのに苦労します。
そうすると、法規に苦手意識を持ってしまい、法規の勉強をつい後回しにしてしまうことがあります。
「法規=難しい科目」というイメージが定着してしまうと、勉強に対する心理的ハードルが上がってしまいます。

法令集を引くこと、法文を読み解くことは慣れてしまえば、そこまで難しくありません。
法規に慣れるためには、短期間に何度も法令集を使うことが最も効果的です。

合格基準点と目標点

満点 30
目標点 27
足切り点 16

 

この5年間で、足切り点に変動はありません。
5科目合計の合格基準点は90点前後なので、総得点が100点であれば、まず間違いなく学科試験には合格できます。
100点を取るためには、学科Ⅲ・法規で27点を目標点にするとよいです。

出題の傾向を知っておく

出題分野 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
建築基準法 21 20 20 20 20 20 20 20 20
用語の定義 1 1 1 1 1 1 1 1 1
面積・高さ・階数 1 1 1 1 1 1 1 1 1
制度規定 2 2 2 2 2 2 3 2 2
一般構造 1 1 1 1 1 1 1 1 1
耐火・防火 1 4 2 3 3 2 3 2 2
避難施設等 2 1 1 1 1 1 1 1
内装制限 1 1 1 1
建築設備 1 1 1 1 1 1 1 1 1
構造強度 2 3 3 3 3 3 2 3 3
道路 1 1 1 1 1 1 1 1 1
用途地域 1 1 1 1 1 1 1 1 1
容積率 1 1 1 1 1 1 1 1
建ぺい率 (1) 1 (1) (1)
高さ制限 1 1 1 1 1 1 1 1 1
防火・準防火地域 2 1 1 1 1 1 1 1 1
地区計画・建築協定 1 1 1 1 1 1 1 1 1
融合問題 3 1 1 1 1 1 1 1 1
関係法令 9 10 10 10 10 10 10 10 10
建築士法 3 3 3 3 3 4 4 5 4
都市計画法 1 1 1 1 1 1 1 1 1
消防法 1 1 1 1 1 1 1 1 1
バリアフリー法 1 1 1 1 1 1
耐震改修促進法 1 1 1
住宅品質確保法 1
建設業法
融合問題 2 5 3 4 4 3 3 2 3

※容積率と建ぺい率の複合問題が出題された年度は、建ぺい率の項目は( )で表記しています。問題数の合計には含まれていません。


例年の出題傾向が最も明確な科目なので、過去問をくりかえし解き、各項目ごとに理解を深めれば、高得点が狙えます。

初めのうちは他の科目より多くの勉強時間を必要としますが、学習量に比例して得点が確実にアップする科目なので、地道にコツコツと勉強をしてください。

6月までは建築基準法の範囲だけ

関連法規からは、あまり入り組んだ問題は出題されません。
建築基準法の問題と比べると難易度が低いとも言えます。

「建築士法」以外の関連法規で、主要な法律である「都市計画法」「消防法」「バリアフリー法」からは1問(多くても2問)しか出題されず、その他は融合問題として選択肢のひとつとして出題されるだけです。

比較的やさしい問題であり、ひとつひとつの関連法規からの出題数が少ないのであれば、時間をかけて勉強するのはもったいないです。
かと言って、後回しにして7月から始めると勉強量が不足するおそれがあります。
(7月に入ってからは、全科目の追い込み・模擬試験のおさらいをするべきなので、1科目に時間を使いすぎるのはよくありません。)

最も出題数の多い「建築士法」は、先に勉強しておくのもひとつの手です。
もちろん、他の関連法規と合わせて、6月になってから対策しても十分間に合います。

具体的な問題集の進め方

一級建築士の勉強をするときには、全科目共通で次のルールを守ってください。

テキストや問題集をキレイに使わない
教材に書き込みをするのが嫌で、わざわざノートを取る方もいますが、はっきり言って時間の無駄です。

問題文に書き込みをしてしまうと、次に問題を解くときにヒントになってしまうのでダメですが、解説やテキストにはどんどん書き込みしてください。


5〜7年分の過去問がまとめられて問題集は、最低3周、できれば全問3回正解するまで繰り返し解いてください。

  • 1周目は解答から読む
  • 2周目は自力で解く
  • 3周目は時間を計る

1周目は解答から読む

過去に一級建築士や二級建築士の受験経験がある方や、実務で日頃から法令集を使用している方は、2周目と同じやり方で問題集を進めてください。
(記事内リンク)

法規を初めて勉強する方は、初めから解答を読んでしまうほうが効率的です。
具体的には、次のような手順で問題を解いてください。

ステップ1
問題文と選択肢を読む
問われている内容、正しいものを選ぶのか誤ったものを選ぶのか、問題を解く手がかりとなるキーワード、これらのことを意識しなから問題文と選択肢を読みます。
ステップ2
正答肢の解答を読む
太字や色付き文字、下線が引かれているところに注意しながら正答肢の文章を読み、正誤の判断となったポイントを理解します。
ステップ3
法令集を引く
先ほど確認した正誤の判断となったポイントが、法文でどのように書かれているか、線引きのあるところを押さえながら確認します。
ステップ4
残りの選択肢の解答を読んで、該当条文を法令集で確認する
残りの選択肢についても、ステップ2・3とおなじようにして、法文で押さえておくべきポイントを確認します。

2周目は自力で解く

5〜7年分の過去問をひととおり解くだけで、法規の学習が50%は進んでいると言えます。
2周目では、70%まで到達するために次の手順で勉強します。

ステップ1
問題文と選択肢を読む
1周目とやることは同じですが、きちんと理解しながら1周目の学習を進めていたら、問題文と選択肢から読み取るべきポイントが自然と浮かび上がってきます。
ステップ2
法令集を引いて解答を導く
時間は気にしなくてよいので、法令集を引いて該当条文を探し出し、選択肢の記述と照らし合わせながら、ひとつ答えを選んでください。
時間をかけてもどうしても分からない場合は、勘でもよいので回答します。これをやっておくことで、二択まで絞り込めた問題から正答を選べる確率が上がります。
ステップ3
正答肢の解答を読んで、該当条文を法令集で確認する
1周目と同じように、正誤の判断となったポイントを理解してから、法文でどのように書かれているのか確認します。
ステップ4
残りの選択肢の解答を確認する
1周目と違って、残りの選択肢の解答確認はさらっと流して構いません。
ただし、手も足も出なかったような問題や、解答を読んで見覚えのない単語があるような場合は、法令集を引いて、きちんと該当条文を確認しておきます。

3周目は時間を計る

3周目で守るべきルールは、時間を計ることです。
時間を計ると言っても、タイマーなどで正確に計る必要はありません。

問題集の取り組み方は、2周目とおなじでよいです。
時計を横に置いて、ひとつの選択肢あたり50秒、一問あたり3分30秒を意識しながら問題を解いてください。

時間配分は問題によって違うので、早く解ける問題は短時間で、難しい問題は5分までを目安にして長めに時間をかけて解きます。

この方法で勉強しておくことで、本番の試験後半に全く時間が足りない状況になってしまうことを避ける練習にもなります。


ここまで来ると、法規の学習のゴールが見えてきます。
そうは言っても、問題集を3周解くのは最低限のラインなので、試験本番で高得点を取るためには、時間の許すかぎり何度も問題集に取り組んでください。


一級建築士の勉強方法【学科Ⅳ・構造】独学のコツ・試験の攻略ポイント

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