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- 一級建築士の受験資格
- 学生と社会人それぞれの戦略
- 二級建築士と木造建築士の受験資格
一級建築士の試験には「受験資格」があります。
平成30年に建築士法が改正され、令和2年の試験から新制度が適用されています。
建築士の試験は1年に一度しかありません。
そのため、受験資格について勘違いしていると、資格取得までのプランに大きく影響します。
一級建築士試験の受験資格についてキチンと理解して、進路選択・キャリア設計の指針にしましょう。
※この記事は3分ほどで読めます。3分後には、新制度の受験資格および一級建築士になるための最短ルートが分かっています。
一級建築士の受験資格
一級建築士試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法による大学若しくは高等専門学校、旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者(当該科目を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
二 二級建築士
三 国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める者
出典:平成30年12月14日公布 建築士法の一部を改正する法律 第十四条
令和2年からの新制度がこれまでの制度と異なるのは、受験資格から「実務経験」が無くなったことです。
資格登録には実務経験が必要です。
令和元年(平成31年)までの、受験資格は下記のとおりです。
建築士法の改正(平成20年11月28日施行)に伴い、受験資格要件が変更されています。
平成20〜21年に、学校に入学された方、建築に関する実務をされていた方は注意してください。
一級建築士試験の受験資格は、次のように定められています。
建築に関する学歴又は資格等 | 建築実務の経験年数 |
大学(旧姓大学を含む)において、指定科目を修めて卒業した者 | 卒業後2年以上 |
3年制短期大学(夜間部を除く)において、指定科目を修めて卒業した者 | 〃 3年以上 |
2年制短期大学又は高等専門学校において、指定科目を修めて卒業した者 | 〃 4年以上 |
二級建築士又は建築設備士 | 4年以上 |
その他国土交通大臣が特に認める者 | 所定の年数以上 |
資格要件である「二級建築士」と「建築設備士」の場合は、そもそもその資格を取得するのに時間がかかるため、最短ルートをかんがえているここでは説明を省きます。
学歴要件ではどの場合も、就学年数と必要とされる実務の経験年数を足すと6年になるので、高校卒業の18歳から計算すると、一級建築士試験を受験できるのは最短で24歳になります。
「その他国土交通大臣が特に認める者」の場合は、いわゆる例外的なパターンなのですが、そのなかでも知っておきたいことがあります。
表に記載のない「大学院」がこの項目にあてはまります。
インターンシップとそれに関連する科目の単位を取得しておくと、実務経験としてみなされるので、大学院卒業後0年で受験資格をもらえます。
大学の4年間では物足りず、まだ建築を学びながら研究をしたいという志がある方にとっては、メリットになるので覚えておきましょう。
大学院でインターンシップをすると、実務経験としてみなされる
学生と社会人それぞれの戦略
これから建築を学ぼうとする又はすでに学んでいる学生(高校生・専門学生・大学生・大学院生)と、いまは別の業界ではたらいているけど建築士になりたい社会人では、取るべき戦略が変わってきます。
学生の場合
まずは、在籍している大学(学科)の卒業に必要な単位を取得することで、学歴要件を満たすことができるのかを確認しておきましょう。
(高校生は、志望する大学の学科で建築士の受験資格を得ることができるのか事前に確認しておきましょう。)
実務経験とみなされる仕事にも規定があるので、就職先は慎重に選ばなければいけません。
社会人の場合
学歴も実務経験もまったくない場合は、まず2年制の専門学校をさがすことからはじめます。
生活のことをかんがえると仕事を辞めることはむずかしいので、社会人向けの夜間部があるところがのぞましいです。
①と②の順番は逆転しても構いませんが、専門学校の卒業時点では必ず転職先を決めておきましょう。
社会人の戦略としていますが、専攻のちがう学校に在学している学生が「建築士になりたい」と思った場合でも、おなじ方法を取ることができます。
(建築学科に編入するという方法もあるので、興味がある方は調べてみてください。)
私は、大学3回生の秋に建築士を目指すことを決めて、いまは「④一級建築士試験を受験する」の前段階まできています。
学生の場合も、社会人の場合も、「③(二級建築士試験を受験する)」としていますが、この点については、別の記事で触れようと思います。
二級建築士と木造建築士の受験資格
すでに5年以上の実務経験がある場合は、専門学校で学歴要件を満たすよりも、二級建築士に合格してから一級建築士を目指すほうが早いです。
二級建築士試験及び木造建築士試験の受験資格は、次のように定められています。
建築に関する学歴等 | 建築実務の経験年数 |
大学(短期大学を含む)又は高等専門学校において、指定科目を修めて卒業した者 | 0年 |
高等学校又は中等教育学校において、指定科目を修めて卒業した者 | 卒業後3年以上 |
建築設備士 | 0年 |
その他都道府県知事が特に認める者建築設備士 | 所定の年数以上 |
建築に関する学歴なし | 7年以上 |
二級建築士として4年以上の実務経験があれば、一級建築士試験の受験資格がありますが、その起算日が「二級建築士免許証に記載のある登録年月日」であることに注意してください。
つまり、二級建築士に合格しても登録手続きをしていなければ、二級建築士としての実務経験年数とみなされません。
おわりに
建築士試験の受験資格について理解できたでしょうか?
学歴要件については、学生課などに問い合わせればすぐに答えが返ってくると思います。
理解しておきたいのは実務経験要件についてです。
いざ受験申込をするときに、「実務経験要件を満たしていなかった」ということにならないよう注意しておきましょう。
- 一級建築士試験を受験できるのは、最短で24歳
- 基本的には、「学歴+実務」のセットで受験資格を得る
- 社会人の場合、2年制専門学校の夜間部がオススメ
- 実務経験とみなされる仕事にも規定がある