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- 独学に向いている人
- 一級建築士合格に必要な勉強時間
- 学科試験対策で準備するもの
- 合格できる法令集の作り方
- 学科試験の勉強法
一級建築士の学科試験にストレート合格するために、独学での勉強法についてまとめました。
※この記事は5分ほどで読めます。5分後には、一級建築士に独学で合格するための勉強法が分かっています。
独学に向いている人
二級建築士、インテリアプランナー、インテリアコーディネーター、宅地建物取引など建築関係の資格に独学で合格してきた経験から、独学に向いている人には3つの特徴があることが分かりました。
- 継続的に勉強ができる
- やる気をコントロールできる
- ひとつの勉強法を信じられる
継続的に勉強ができる
一級建築士の勉強を意識しはじめるのは、大体11月頃からだと思います。
学科試験までが約9ヶ月、製図試験までだと約1年ものあいだ勉強を続けなければいけません。
特に学科試験は出題範囲が広いので、コツコツと勉強をすすめることが必要です。
やる気をコントロールできる
長期間におよぶ試験勉強では、集中して勉強できるときもあれば、なかなかやる気が湧かないときもあります。
しかし、継続的に勉強をするべきである一級建築士の試験対策では、やる気に左右されて学習スケジュールが滞ってしまうことは避けなければいけません。
ひとつの勉強法を信じられる
インターネットやSNSで一級建築士の勉強法について調べると、さまざまなノウハウが見つかります。
独学だけでなく、通信講座・資格学校で試験対策をするという選択肢もあり、それぞれに最適化された勉強法を目にすることになります。
自分に合いそうな勉強法を選んだ後には、そのノウハウを信じて続けることが大切です。
私は一級建築士の試験対策のために日建学院に在籍していますが、資格学校に通っている場合でも、これらの3つの特徴を意識して勉強に取り組むことが重要だと言えます。
一級建築士合格に必要な勉強時間
一級建築士に合格するためには、学科試験が800〜1000時間、製図試験が200〜300時間の勉強時間が必要だと言われています。
もちろん個人差はありますが、大きく変わることはないでしょう。
この時間を達成したからといって必ず合格できる訳ではありませんが、進捗状況を計ることができるので、ひとつの目標として設定することをおすすめします。
学科試験対策で準備するもの
一級建築士の学科試験対策を始めるためには、テキストと過去問題集が必要です。
用語集までそろえても定価で約1万円ほどなので、資格学校より数十万円も安く済ませられます。
独学でチャレンジする方は、すこしでも早く勉強をはじめられるようにすぐに買いそろえてください
一級建築士のおすすめテキスト
テキストのおすすめは、エクスナレッジ社の『ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳』です。
試験に出やすい重要なポイントがまとめられているので、効率的に学習をすすめることができます。
本書には4つの特徴があります。
- 合格ライン超えのためのページ配分
- 「覚える」と「確認する」がセットの項目完結型
- 写真・図・表が豊富で理解しやすい
- 最新の試験傾向を反映
一級建築士のおすすめ過去問題集
過去問題集のおすすめは、日建学院の『1級建築士 分野別厳選問題500+125』か、総合資格の『1級建築士試験学科 厳選問題集500+125』です。
この2冊であればどちらを選んでもよいので、気に入ったほうを購入してください。
科目別に厳選された過去問がまとめられているので、くりかえし勉強することで合格ラインに到達することができます。
一級建築士のおすすめ用語集
用語集を持っておくと学習効率を高めることが期待できます。
購入するのであれば、学芸出版社の『改訂版 イラストでわかる一級建築士用語集』の一択です。
本書のおすすめポイントは3つあります。
- 科目別にまとめられている
- 見開き構成でポイントを解説
- 索引付きでページがすぐに見つかる
合格できる法令集の作り方
法令集の「選び方」「セットアップ」「使い方」の3点に着目することで、法規で高得点を取ることができます。
法令集選びの3つのポイント
- ヨコ書き
- 主要告示を収録
- セットアップ付属品
これらのポイントを満たした法令集で、おすすめできるものは4冊あります。
私は日建学院の通称オレンジ本を選びました。
法令集のセットアップ
一級建築士の法令集選びの3つのポイント【おすすめ法令集と役立ちアイテム】で紹介している法令集であれば、セットアップ(インデックス貼り・重要条文への線引き)の方法を解説した冊子や動画が用意されています。
学芸出版社の『法規のウラ指導』を利用する場合は、法規の勉強をしながら法令集をセットアップしていきます。
法令集のセットアップを済ませてから法規の勉強をはじめても、同時進行させても、どちらでも構いません。
私は日建学院に通っているので前者にしましたが、独学であれば『法規のウラ指導』を利用していました。
法令集の使い方
法令集をできるだけキレイな状態で保とうとする方がいますが、合格するためにはボロボロになるくらい使い倒すべきです。
問題数を数多くこなし、法令集を引くスピードを上げるような使い方をしていると、自然と古ぼけた法令集になっていきます。
持ち運びの際は、ある程度、インデックスの保護に注意をはらったほうがいいとは思いますが、使用中にまで気を回す必要はありません。
使っているうちに破れてしまったら、セロハンテープなどで補修すればいいだけのことです。
むしろ、何度もめくっているページが分かることで該当条文を見つけるスピードを上げることに役立つこともあります。
また、苦手な項目でよく参照する条文の掲載ページは、くしゃっと軽くにぎってシワをつけておきましょう。
そうすることで、平滑に紙が重なっていたところにシワによる隙間ができるので、次にそのページを開くときにスムーズにめくることができます。
学科試験の勉強法
一級建築士に合格するための学科試験の攻略ポイントは3つあります。
- 試験対策の9割は過去問の勉強
- 得意科目を伸ばすより苦手科目を無くす
- 得点源は「法規」と「構造」
計画の勉強法
建築士の職責にはじまり、各施設(居住・教育・医療・高齢者・商業)の特徴および事例、都市計画、建築史、積算・生産と、計画の出題範囲は幅広いです。
なるべく多くの項目を暗記するのが望ましいですが、建築的な常識で判断する問題が多いので、勘で正答肢にたどり着けることもあります。
また、問題文を読み解く力を必要とする問題も出題されます。
過去問をくりかえし解くことで、暗記量が増え、勘の精度が上がり、問題文の読解力を身につけることが期待できます。
時間をかけて勉強しても、なかなかその効果があらわれにくい科目ですが、本番で8割の16点を得点できるように試験対策をしていきましょう。
環境・設備の勉強法
各分野の出題数は例年、環境工学が10問、建築設備が10問となっています。
環境は、光・熱・空気などの自然条件が建築物に与える影響や、人体にとって快適な室内環境を計画する上での基本的な知識が問われます。
原理・原則に基づいた問題が多いので、イレギュラーな傾向の問題は少ないです。
学習の成果が得点にあらわれやすい分野なので、しっかり知識を身につけて得点源にしてください。
設備は、各種設備(空気調和・換気・給排水衛生・電気照明・防火防災など)についての実務的な内容も出題されます。
なじみの薄い専門的な内容は覚えづらいですが、機器の目的・特徴などを問う基本的な問題をとりこぼさないように気をつけてください。
法規の勉強法
法規は5科目の中で唯一、試験会場内への法令集の持ち込みが認められています。
例年の出題傾向が最も明確な科目なので、過去問をくりかえし解き、各項目ごとに理解を深めれば、高得点が狙えます。
法規の攻略ポイントは次の2点です。
- 該当条文の掲載ページを素早く探し出す
- 探し出した条文を正しく理解する
試験時間が1時間45分、出題数が30問(120肢)なので、ひとつの選択肢あたり約50秒しか使えません。
解答時間を短縮するために、過去に出題実績のある重要選択肢などは法令集を引かなくても解答できるよう、ひとつでも多く覚えておくとよいです。
初めのうちは他の科目より多くの勉強時間を必要としますが、学習量に比例して得点が確実にアップする科目なので、地道にコツコツと勉強をしてください。
構造の勉強法
構造には、「構造力学」「各種構造」「建築材料」の3つの分野があります。
各種構造と建築材料の文章問題で得点を稼ぎ、構造力学の計算問題をプラスα程度に考える方もいますが、それはおすすめできません。
近年は構造設計の実務に関する出題が増えている傾向にあり、各種構造と建築材料で確実に得点を稼ぐことがむずかしくなっています。
反して、構造力学は出題傾向に大きな変化がなく、公式や解法をしっかり覚えておくと確実に得点できる問題が多いのが特徴です。
30問の中で6問(100点換算で20点の割合)出題される構造力学の問題で得点を稼ぎ、残り24問の各種構造・建築材料に関する問題を1問でも多く正答するという方針で試験対策をしてください。
施工の勉強法
受験資格を得るのが早かった20代の受験生は特に、日頃の仕事ではアシスタント業務をしていて、現場に足を運ぶ機会があまりないことも珍しくありません。
現場経験がない場合、各部工事における専門用語やディテール(納まり)を説明されても、まったくイメージが湧かず、何をどう理解すればよいのか分からなかったりします。
施工の学習のポイントは、大きいものから小さいものへと順に理解を深めていくことです。
「工事全体の流れ→個々の工事の流れ→各工事のディテール→部材の名前や納め方の種類などの専門用語」というように、ひとつずつ解像度を上げていくようなイメージを持ってください。
この科目の難しさは、建物を建築するための実務的な知識や技術を、机上の学習だけで理解するところにあります。
建築現場を訪ねて、実際にナマで見て確認するのが理想ではありますが、それが厳しいのであればイラストが豊富な施工のテキストを買うことをおすすめします。